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「決定論的カオス理論に基づく時系列解析システム」 計装 8月号 Vol.40 No. 8 (1997)

4.4 非線形モデリングと予測

さて,実験データの埋め込んだデータを用いた非線形モデリングの例を示す. ChaosTimesでは「動径基底関数(RBF: Radial Basis Functions)ネットワーク」 による方法を採用している[4].図 10 に示したものは,実験データを4次元で埋め込ん だデータの最初の2000点を用いて力学系を同定し,データの最後の点から3000点 先まで予測した例である.

  
図 10: 実験データをRBFネットワークにより同定した例

このように,実験データのアトラクタ(図5)と非常 に良く似た振る舞いが再現されていることから,実験データから推測される力学 系が4次元で記述できる可能性が高いことを示している.

そして,データの最後の点から1000点ほど予測した際の,正規化平均自乗誤差 (RRMSE: Relative Root Mean Square Error)と相関係数(Correlation Coefficient)による予測精度の特性を図11 に示 す.

  
図 11: 実験データをRBFネットワークにより予測したときの予測精度の特性 (横軸が,予測時間)

このように,時間と共に予測精度が低下していることから,実験データが決定 論的カオスに起因する現象であることが示唆される.


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