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はじめに

カオスとは、「システムが、ある時点の状態が決まればそれ以後の状態が原理的にすべて決定されるような決定論的法則に従って変化しているにもかかわらず、非常に複雑で不規則かつ不安定なふるまいをして、遠い将来における状態が予測できない現象」のことを意味します。カオスという考え方が生まれる前は、簡単な法則の生み出すふるまいは簡単であり、一方、複雑な現象は複雑な法則でなければ説明できないと思われていました。しかし、簡単な決定論的法則(仕組み)が複雑な現象を生み出したり、複雑な現象を簡単な決定論的法則で説明できたりすることがしばしばあるのです。当社ではこのような最近の研究の進展を背景にして、時系列データをカオスダイナミクスの観点から解析するカオス時系列解析システム「ChaosTimes」をUNIXプラットフォーム用に開発・販売しておりますが、本製品「Sunday ChaosTimes」はWindowsプラットフォーム用に、視覚的かつインタラクティブなカオス時系列の基礎解析環境を提供します。

Sunday ChaosTimesでは「リカレンスプロット法」を中心に様々な解析手法を扱うように設計されており、これが本製品の最大の特徴となっています。

リカレンスプロット法は、出力された2次元パターンから、時系列データの周期性・非周期性や定常性・非定常性といった大域的情報構造を視覚的に得ることを目的としています。時系列解析において、多くのカオス時系列解析手法が時系列データの背後にアトラクタ構造の存在を仮定しており、よって、解析対象の時系列データの大域的情報構造を予め確認しておくことが、信頼性のある解析の第一歩となります。Sunday ChaosTimesでは、様々な定量的解析に先立ち、リカレンスプロット法により時系列データの大域的情報構造を視覚的に確認することが出来ます。

また、リカレンスプロット法は処理の過程で2点間距離を計算します。2点間距離は、「相関次元推定」や「リアプノフスペクトラム推定」などの様々な定量的解析においても基本となるデータです。Sunday ChaosTimesはリカレンスプロット解析の際に計算される2点間距離データセットやそれに由来する中間計算結果をオンメモリで蓄えておくことで、その後の定量的解析の計算時間を大幅に短縮しています。



 
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