フォント、漢字の部首、筆角

2021/06/27 Taiji Yamada
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部首と構成要素

日本の初等教育や漢字辞典では、漢字の部首なるものが曖昧ながらも定められていて、検索などに役立てられています。これらは、1716 年、清の時代に編纂された「康熙字典」を基本としています。

Unicode でも中国の文字集合をベースに部首が定義されています。日本のそれとは多少違いはありますが、我が国でも各社の漢字辞典でも同じではないので、ある程度曖昧さは許容される範囲だろうと思います。

日本を含めた部首としては、康熙部首 U+2F00〜2FDF(うち 10 ポイントは未定義、2021年時点)に加え、CJK 部首補助 U+2E80〜2EFF(うち 13 ポイントは未定義、2021年時点)の2字となります。

日本で見慣れた漢字が、中国、台湾、香港、韓国では見慣れないということは往々にしてありますが、部首においても少なからずあることが以下の一覧でわかると思います。康熙部首+2ポイントを各国のフォントを指定して一覧にしました。

興味深いことに Unicode に登録されるにあたり、律儀に「英名」も定められていることにあります。ちなみに「黽」は「カエル」のことだそうで、どうしても「蠅」しか思いつきません(カエルが食べている虫だからか)。「龜」が部首というのもスゴイですが、私は「ミジンコ」にしか見えません。

かめ

簡体字・繁体字フォントは日韓フォントと比べて、このゴシック体においても画数に関わる書字になるべく忠実にグリフがデザインされていることがわかります(例:氏、瓜など)。但し、日本でも教科書体などは書字になるべく忠実になるようにグリフがデザインされており、いざ手書きをしようとすると、見慣れた活版印刷を由来とする明朝体やゴシック体とは異なる書き方で戸惑う場合もしばしばです。

ところで「骨」などは簡体字フォントだと画数 9 だと思うのですが、日本と同じ 10 画ということになっています(上部の内部の部分の向きに注目)。表は部首専用の Unicode ポイントのグリフを印字しており、その互換文字を含めて、普段使いの漢字とは異なるものが割り当てられているのかもしれません。

「麻」などは構えの内部の部分の「林」のデザインは繁体字(台湾)と韓国だと随分と個性的です。あまり使われておらず伝統的なままなのか、伝統を守り抜いているのか、気になるところです。

漢字の筆角

Unicode には漢字の筆角のバリエーションも割り当てられていて、一つは、会話で漢字を筆角の順序で説明したときの様子などを「文書」で表しておける、という用途が考えられます。

例えば、『日本では「」は

「㇑㇕㇑㇕㇑㇖㇓㇆㇐㇐」

のように書きますが、中国の「」では

「㇑㇕㇕㇑㇖㇓㇆㇐㇐」
のように書きます。』

などの説明に役に立ちます。

そして、その筆角に符号が付けられていますが、付けられているので、なかなか興味深いことになっています。以下に一覧します。

Heading rule styles














































































Written by Taiji Yamada