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安全性解析

力学系の性質を用いて、以下のように安全性を評価することができる [5,7,8]。

初期値鋭敏依存性
 隣りあった二つの平文 (または隣りあった二つの鍵) に対して、 二つの暗号文が独立になるための十分条件として

¥begin{displaymath}n = 2.39 ¥log_2 M + 15 ¥end{displaymath}

が得られる。また、AM が互いに素ならば、

¥begin{displaymath}n=1.66¥log_2 M+15 ¥end{displaymath}

まで段数を減らすことができる。

指数的な情報の減衰
 力学系の不変測度と Perron-Frobenius 演算子 [3,4] を用いて平文と暗号文 の相関を解析的に計算できる。

平文の一様分布を仮定すると、平文と暗号文の相関は、 (2a-1)n と、指数的に減衰する。 減衰指数 (2a-1)nFA に普遍的な量であると思われる。不変測 度、混合性を表す量、力学系のエントロピー等もこの速さで減衰すると 予想される。

ビットごとの独立性
平文の i 番目のビットが 1 (or 0)、暗号文の j 番目のビッ トが 1 (or 0) である確率は $n¥to¥infty$ の極限で $¥frac{1}{4}$ となる。 つまり、平文のビットと暗号文のビットは独立である。 ここで、fa が混合的 [4] であることを用いた。

力学系エントロピーによる段数評価
情報論的エントロピーと結びついた 力学系の KS エントロピー hKS [1,3] を用いて、

¥begin{displaymath}h_{KS}(¥tilde{f_a}^n) = n¥lambda ¥cong H(P) = ¥log ¥vert P¥vert ¥end{displaymath}

から、必要な段数 n を評価することもできる。


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