カオスとは、「システムが、ある時点の状態が決まればそれ以後の状態が原理的にすべて決定されるような簡単な法則に従って変化しているにもかかわらず、非常に複雑で不規則かつ不安定なふるまいをして、遠い将来における状態がまったく予測できない現象」のことを意味します。カオスという考え方が生まれる以前は、簡単な法則の生み出すふるまいは簡単であり、一方複雑な現象は複雑な法則でなければ説明できないと思われていました。しかしながら、簡単な仕組みが複雑な現象を作り出したり、逆に複雑な現象を簡単な法則によって説明できたりすることがあるのです。
学生時代の物理の時間に学んだ、振り子について思い出してみてください。その運動の法則は簡単ですし、その動きも単調なものです。しかし、その振り子の先にもう一つ振り子をつけただけで(二重振り子と呼びます)、運動の法則はそれほど複雑ではないにもかかわらず、その動きは非常に複雑なものとなります。二重振り子は、カオスを発生する身近な仕組みのひとつです。